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トヨタプリウスの最新情報

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画像:https://toyota.jp/prius/


トヨタプリウスのラインナップ
現行型のプリウスはZVW5#という方式で、2015年にフルモデルチェンジされた4代目になります。このモデルからE-Fourと呼ばれるモーター駆動の4WDシステムが採用されています。日本のハイブリッド車のパイオニアであるプリウスは、年々進化を遂げて、現在のモデルに至っています。

 

プリウスは現在、特別仕様車のS“Safety Plus・Two Tone”およびS“Safety Plus”の2グレードが設定されており、また従来のFFに加えて、モーター駆動の4WD E-Fourがラインナップされています。全部で9グレード17タイプのモデルがあります。その豊富なラインナップとメーカー希望小売価格は次のようになります。

 

特別仕様車 S“Safety Plus・Two Tone” 2WD 2,733,480円
特別仕様車 S“Safety Plus・Two Tone” E-Four 2,927,880円
特別仕様車 S“Safety Plus” 2WD 2,607,120円
特別仕様車 S“Safety Plus” E-Four 2,801,520円
Aプレミアム“ツーリングセレクション” 2WD 3,199,745円
Aプレミアム“ツーリングセレクション” E-Four 3,394,145
Aプレミアム2WD 3,107,455円
AプレミアムE-Four 3,301,855円
A“ツーリングセレクション” 2WD 2,926,800円
A“ツーリングセレクション” E-Four 3,121,200円
A 2WD 2,777,563円
A E-Four 2,971,963円
S“ツーリングセレクション”2WD 2,628,327円
S“ツーリングセレクション”E-Four 2,822,727円
S 2WD 2,479,091円
S E-Four 2,673,491円
E 2WD 2,429,018円

 

最上級グレードのAプレミアム“ツーリングセレクション”からエントリーモデルのEまで、バラエティーに富んでおり、価格帯も約340万円から243万円と幅広いので、自分の好みや予算に応じて選ぶことができます。

 

2.プリウスの歴史

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画像:https://newsroom.toyota.co.jp/

① 初代プリウスNHW1#型 (1997年~2003年)

国産初のハイブリッド車として初代プリウスが登場したのは、1997年12月です。当時のキャッチコピーは「21世紀に間に合いました。」です。それほど当時の技術水準からみると、ハイブリッドというのは未来の技術だったということです。搭載されたパワートレインは1NZ-FXE型直列4気筒1.5LDOHCエンジンと1CM型のモーターでした。初代プリウスは5ナンバーで走行性能は軽自動車並みだったということです。それでも環境意識の高い方を中心に月間10,000台程度を販売し続けたのですから、当時としては画期的な技術にユーザーは心を動かされたのでしょう。

 

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② 2代目プリウスNHW20 (2003年~2011年)

2代目のプリウスが登場したのは2003年です。先代では4ドアセダンでしたが、このモデルでワンモーションスタイルの5ドアハッチバックへと、ボディ形状が大きく変更されました。全く別の車に生まれ変わったのです。変わったのは外観だけではありません。2代目プリウスに搭載されたパワートレインは、THS-II (Toyota Hybrid System II) と呼称される、先代プリウスに搭載していたTHSの発展型で、エンジンは先代と同じく1NZ-FXE型を搭載していますが、モーターが新型となり出力を33kWから50kWへと向上させ、パワーアップが図られています。また燃費性能も大幅に向上し、10・15モード燃費は35.5km/Lを達成しました。4人乗り以上の市販ハイブリッドカーとしては当時、世界最高の燃費を達成しています。

 

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③ 3代目プリウス ZVW30 (2009年~2015年)

3代目プリウスは2009年に発売されました。このモデルチェンジではパワートレインが大幅変更になっています。3代目モデルのハイブリッドシステムには、9割以上が新開発というリダクション機能付THS-IIが採用されています。エンジンは高速域での燃費向上のために1.5Lの1NZ系から新世代のZR系1.8Lの2ZR-FXE型に変更されており、モーターも3JM型に変更されています。これにより2.4Lガソリンエンジン車並みのパワーを実現したのと同時に、10・15モード燃費で38.0km/Lという世界トップクラスの燃費を達成しています。

 

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④ 4代目(現行)プリウス ZVW5#(2015年~現在)

4代目の現行プリウスは2015年に発売されたものです。これまでのトヨタでのハイブリッド開発における技術の粋を集めて完成した4代目プリウスは、様々な点で進化しています。バッテリーの小型化により、先代プリウスよりも車高を20mm下げています。また、先代まではニッケル水素エンジンが使われていましたが、リチウムイオン電池に変更しています。また従来と大きく変わったのは4WDが設定されたことです。E-fourと呼ばれる、後輪駆動用のモーターを持つ4WDシステムを採用したことで、選択肢が広がっています。搭載されているパワートレインは、3代目同様の2ZR-FXE型エンジンを踏襲していますが、最大熱効率40%を実現して改良を施しています。また、ハイブリッドシステム全体の小型・軽量化や約20%の低損失化を図ったことで、10・15モードよりも運転条件の厳しいJC08モードで燃費を40.8km/Lにまで引き上げています。また、このモデルで追加された4WD e-Fourでも同モードで34.0km/Lの低燃費を実現しています。ライバルの追随を許さない、プリウスの力強い進化は続いているのです。

 

3.プリウスの燃費性能

ハイブリッド車であるプリウスの内臓ともいえるパワートレインは、2ZR-FXE型直列4気筒1.8L DOHCエンジンと、1NM型 交流同期モーター(フロント)からなっており、エンジンの最高出力は72kW(98ps)、モーターの最高出力は53kW(72ps)で、システム全体の最高出力は100kW(136ps)になります。1.8Lクラスのクルマですから、これだけのパワーがあれば十分だと言えるでしょう。特に燃費性能に特化したプリウスであればなおさらです。

 

またE-Fourと呼ばれる後輪駆動用のモーターは1MM型の 交流誘導モーターが使われています。

 

プリウスのラインナップの中で最も燃費が良いのは、エントリーグレードであるEで、JC08モード燃費は40.8km/Lになります。ガソリン3Lでゆうに100km以上走れるのですからすごいとしか言いようがありません。この燃費性能は他社のハイブリッドやe-POWERに大差をつけており、他の追随を許さない高い燃費性能を誇っています。そのほかのグレードでも燃費性能は非常に優れています。2WDではJC08モード燃費37.2km/L、4WDでは同34.0km/Lというのですから、様々な装備を装着して車両重量が重くなっても、プリウスのパワートレインは高性能を発揮できるものだと言えます。

 

初代プリウスの燃費が10・15モードで28.0km/Lだったことを考えると、より厳しい運転条件であるJC08モードで40.8km/Lに到達したということは、およそ2倍の燃費性能に進化したということです。ハイブリッド車のパイオニアですから、一日の長があり、今後もライバル車の追随を許さない進化を遂げていくのでしょう。

 

4.プリウスの評判

プリウスを実際に買われた方々の口コミでは、走行性能、乗り心地、燃費については非常に高い評価を受けています。一方、エクステリアやインテリア、エンジン性能、価格については、人それぞれで評価が分かれています。これは、外観のデザインや内装、収納サイズが評価を下げる要因となっているようです。

 

もう少し具体的に口コミを見ていきましょう。

 

まず、評価が分かれるエクステリアデザインについてです。先進的なデザインに対しての評価が今一つといった感じでしょうか?

 

「数年後を先取りした印象。ガソリンの給油時まで考えたデザインに驚いた。」

「プリウス=先駆けを意識させるアグレッシブなデザイン。10年以上色褪せない。」

「プレデターそのもの。世界のトヨタのハイブリッド戦略の旗艦モデルとしてこれはない。どこかしらがダサいこのセンスの無さはどうにかならないか?」

「エンジン性能や走破性は素晴らしいが…ダサい…とにかくダサい。」

 

このように賛否両論です。デザインが先進的すぎることが要因のようです。確かに近未来的なデザインですね。

 

次に、プリウスの最大の売りである、燃費について口コミを見ていきましょう。

 

「500Km走行してまだ2度目の給油していないが、メーター表示で23.5km/リットル。恐らく1度の給油で楽に1000Km走行出来る。」

「春で暖かくなった事もあり楽々30km/Lを超えるようになった。」

「ガソリンを入れる頻度が確実に少なくなった。ここは文句のつけようがない。」

 

このように、高評価ばかりです。

 

総じていうと、確実に進化した燃費性能については、申し分ないレベルである一方、先進的すぎたデザインには好き嫌いが分かれたという感じです。

 

クルマ選びというのは、結局は買われる方の好みによります。主観的でいいのです。プリウスという車が気に入ったのなら、自分の感性を信じて買えばいいのですし、気に入らないのであれば買わなければいいのです。カタログを見るだけで決めるのではなく、口コミを参考にして、また実際に試乗して最終的な決断をしてください。