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ホンダステップワゴンの歴史

どうも、おじさんです。
今日はホンダステップワゴンについてその歴史をざっくり振り返ってみたいと思います。

 

ホンダの5ナンバーサイズミニバンであるステップワゴン。個性的なスペックから人気を博しているクルマです。特に初代ステップワゴンが登場したときには爆発的な人気を誇った車種です。

 

1.ステップワゴンの歴史

① 初代ステップワゴンRF1/2型(1996年~2001年)

初代ステップワゴンが誕生したのは1996年です。このモデルの搭載エンジンはB20B型直列4気筒2.0L DOHCでした。他社がFRベースもしくは居室床下にエンジンをレイアウトした、商用ワゴンベースのミニバンを販売したのに対して、ホンダはFFレイアウトにより実現した床の低さや、四角いシンプルなスタイルなど、独自の路線を歩み始めました。また、戦略的な低価格などによって、一躍人気モデルとなりました。

 

初代ステップワゴンでは現在では上級グレードとして定着しているスパーダは設定されませんでした。

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画像:ホンダ・ステップワゴン - Wikipedia

 

② 2代目ステップワゴンRF3/4/5/6/7/8型(2001年~2005年)

2代目ステップワゴンは2001年に発売され、2005年にモデルチェンジされるまで販売されていたモデルです。フルモデルチェンジ当初はK20A型直列4気筒2.0LDOHC i-VTECのみのラインナップでしたが、2003年6月のマイナーチェンジでK24A型直列4気筒2.4LDOHC i-VTECエンジンがラインアップに加えられました。また、専用フロントグリル、エアロフォルムバンパー等の外観や黒を基調としたインテリアが特徴の上級グレードのスパーダが追加されました。

 

非常にスポーティな外観のスパーダは高い人気を誇りました。その後一時スパーダが設定されていない時期がありましたが、現在では上級グレードとしてすっかり定着しています。ここから、ステップワゴンスパーダの歴史が始まったのです。

 

③ 3代目ステップワゴンRG1/2/3/4型(2005年~2009年)

3代目ステップワゴンは2005年から2009年に販売されていたモデルです。このモデルから、現在では一般的になったリア側両側スライドドアをもつものへと進化しました。搭載パワートレインは先代と同じく、K20A型直列4気筒2.0LDOHC i-VTEC、K24A型直列4気筒2.4LDOHC i-VTECの2つのエンジンラインナップです。ステップワゴンは5ナンバーサイズのミニバンですが、2.4Lエンジンを搭載することで、コンパクトで力強いことが高評価を得て、人気モデルとなりました。

 

モデルチェンジ当初は先代で評価の高かったスパーダは設定されていませんでしたが、2007年11月のマイナーチェンジでスパーダが復活しました。専用のエアロフォルムバンパーやLEDハイマウントストップランプを内蔵したテールゲートスポイラー、ダーククローム調のメッキフロントグリル、16インチアルミホイールなどを装備し、スパーダとして特徴的な外観にしたほか、専用サスペンションチューニングやパドルシフトの採用により高いハンドリング性能と操舵安定性を実現しており、ステップワゴンの上級モデルとして確固たる位置を確保しました。

 

④ 4代目ステップワゴンRK1/2/3/4/5/6/7型

4代目ステップワゴンは2009年から2015年の間に販売されたモデルです。仙台で好評だった2.4Lエンジンは廃止され、搭載エンジンはR20A型直列4気筒2.0LSOHC i-VTECのみとなりました。この頃から、ステップワゴンのエンジンはダウンサイジングが図られていました。この4代目のモデルは、5代目の最新ステップワゴンが発売されてからも、高い人気を維持しており、現在中古車市場でもたくさん流通しています。また、いまだに社外品のカスタムパーツのラインナップが豊富なことからも、依然として人気が高いことがわかります。

 

⑤ 現行型5代目ステップワゴンRP1/2/3/4/5型

現行型となる5代目のステップワゴンは、2015年にモデルチェンジが施され現在に至っています。このモデルチェンジでは外観を変更したほか、ガソリン車ではダウンサイジングターボが採用されています。エンジンは2.0Lから1.5Lへと大幅にダウンサイジングされ、Honda車では初採用となる「VTEC TURBO」エンジンが搭載されています。また、このモデルのマイナーチェンジからから追加されたハイブリッド車にはLFA型直列4気筒DOHC VTECが搭載されています。これによって燃費性能が大幅に向上され、平成32年度燃費基準を達成しました。また、ハイブリッドシステムの最高出力も大幅に向上し、競合他車よりも高い動力性能をと加速を誇ります。

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画像:http://www.honda.co.jp/STEPWGN/webcatalog/styling/design/

 

2.ステップワゴンのスタイル

歴代のステップワゴンは、その個性的なスタイルが人気となり、旧型ステップワゴンから新型ステップワゴンへと乗り換え続ける、根強いステップワゴンファンを獲得しています。特に人気が高いのはエアロパーツを纏い、精悍な顔立ちをした、上級モデルのスパーダです。スパーダのフロントマスクは一目でそれとわかる個性的なものであり、ライバル車である日産のセレナやトヨタのノア3兄弟と一線を画したものです。

 

大きなフロントグリルでありながらも威圧感はなく、スマートでスポーティです。目となるライトはシャープで、フロントマスク全体を引き締めるものになっています。標準車のステップワゴンよりも、スパーダの方が強くDNAを引き継いでいるという感じがします。

 

歴代のステップワゴンは、シートアレンジが豊富でファミリーカーとして人気があり、荷室を含めた収納スペースが多く使いやすいことから主婦層にも好評でした。最新型ステップワゴンでは、そんな使い勝手をさらに向上させるために、ホンダ独自のアイデアであるわくわくゲートが採用されています。リアドア全体が上方に開くという一般的な構造の他、リアドアの左半分が横方向に開くという独自の機構を持つ画期的なものです。狭いところでも荷物を積め、時にはサードシートへの乗降口として使える、そして子供でも容易に操作ができる、便利な構造になっています。

 

ステップワゴンというのは、いつの時代もライバル車に比べて独創的なスタイルを貫いています。だからこそ根強いファンが多いのです。

 

3.シートアレンジ

ステップワゴンが根強い人気を誇っている理由の一つに、シートアレンジの豊富さがあります。初代ステップワゴンからこの特徴を有しており、サードシートを畳めば広い荷室が確保でき、セカンドシートを分割しているため助手席側の片側のみ前に倒せば長尺の荷物が積めるという便利な構造になっています。

 

また、セカンドシートと運転席や助手席をフルフラットに倒せば、車中泊も可能なスペースを確保できます。セカンドシートがベンチシートであったり、左右独立したキャプテンシートであったりと、モデルごとに標準の仕様は異なりますが、シートアレンジの豊富さは初代ステップワゴンから脈々と受け継がれています。最新型のステップワゴンでは、シートアレンジしやすいようにさらなる進化が図られています。サードシートが床下に収納できるようになっているのです。これにより、荷室の幅が広がり、より荷室容積を稼いでいます。

 

シートアレンジに関しては、キープコンセプトを基本としながら、より便利なものへと進化しています。このあたりが、ファミリーユーズに向いており、高い人気を誇っている要因なのでしょう。

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画像:http://www.honda.co.jp/STEPWGN/webcatalog/interior/utility/

 

4.先進予防安全技術Honda SENSING

最新型のステップワゴンでは、先進予防安全技術であるHonda SENSINGが全グレードで標準装備されています。歴代のステップワゴンでも、時代を先取りした安全装備というのは充実していたのですが、このHonda SENSINGが採用されたことで、より安全性が増しています。

 

対象物や人の位置と速度を測定するミリ波レーダーと、対象の形や大きさの識別に強い単眼カメラを融合した高精度な検知機能で、安心・快適な運転を支援してくれます。このHonda SENSINGには、主に8つの機能が備わっています。衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール、車線遺児支援システム、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能といった様々な安全機能を備えています。安全運転を支援し、危険を未然に防ぐあるいは最小限の被害に抑えるといったドライバーにやさしい機能です。

 

こういった先進安全技術も、歴代のステップワゴンで培ってきた技術が進化し続けることによって、技術確立ができているのです。