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日産スカイライン最新情報

今日は日産スカイラインの最新事情について。

 

1.V37スカイラインの概要

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最新のスカイラインはV37型という方式になります。スカイラインはV37型発売されるまでに、非常に長い歴史を築いてきました。ハコスカの時代からスカGファンは熱狂的で、今もその熱い思いはスカイラインファンに引き継がれています。

 

V37型スカイラインは、2014年に発売された現行ンモデルで、数えて13代目のスカイラインになります。これまでのスカイラインの歴史を軽く振り返ってみましょう。

 

初代スカイラインS1型が誕生したのは1957年で、当時の富士精密工業(後のプリンス自動車)から発売されました。スカイラインの販売当初は排気量は1,500ccで、現在でいえばコンパクトカー並みの大きさだったようです。この初代スカイラインはプリンス自動車が日産自動車と合併した後も1963年まで継続生産されました。ここからスカイラインの輝かしい歴史は始まったのです。

 

歴代スカイラインの型式と販売期間

初代スカイラインS1/2型:販売期間1957年~1963年

2代目スカイラインS5型:販売期間1963年~1968年

3代目スカイラインC10型 通称ハコスカ:販売期間1968年~1972年

4代目スカイラインC110型 通称ケンメリ:販売期間1972年~1977年

5代目スカイラインC210型 通称ジャパン:販売期間1977年~1981年

6代目スカイラインR30型 通称ニューマンスカイライン:販売期間1981年~1990年

7代目スカイラインR31型 通称セブンス:販売期間1985年~1989年

8代目スカイラインR32型:販売期間1989年~1994年

9代目スカイラインR33型:販売期間1993年~1998年

10代目スカイラインR34型:販売期間1998年~2001年

11代目スカイラインV35型:販売期間2001年~2006年

12代目スカイラインV36型:販売期間2006年~2014年

13代目スカイラインV37型:販売期間2014年~現在

 

このように並べてみると、往年の名車がずらりと並んでいます。特にR32スカイラインは爆発的に売れた超人気車です。スカイラインには60年以上愛され続けた歴史があり、日産をけん引し続けている名車です。ブルーバードやサニーの名称がなくなってしまった現在では、このスカイラインのみが旧き良き技術の日産の時代を思い起こさせてくれます。

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2.最新型スカイライン

前述の通り最新型のスカイラインは2014年に発売されたV37型になります。VQ35HR型ガソリンエンジンとHM34型モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載したモデルと、ダイムラー設計米国の日産デカード工場で生産されている274A型2.0Lダウンサイジングターボエンジンを搭載したモデルがラインアップされています。ハイブリッド車では、モーター2クラッチ方式インテリジェントデュアルクラッチコントロールが採用されており、EV走行領域を拡大しているので高速走行時でも燃費を向上しています。このハイブリッドシステムのパワートレインは最高出力268kW(364PS)を誇ります。ダウンサイジングターボの274A型エンジンは、155kW(211PS)の最高出力を生み出します。どちらも非常に優れた走行性能を誇ります。

 

簿出来タイプは4ドアセダンのみで、ハイブリッド車、ガソリン車ともに、ベースグレードの他「Type P」、「Type SP」が設定されており、さらにハイブリッド車では2WDと4WDが設定されていますので、各3グレード計9グレードのラインナップになります。

 

V37型スカイラインのラインナップは次の通りとなります。

2000ccガソリン車

 200GT-t

 200GT-t Type P

 200GT-t Type SP

3500ccハイブリッド車2WD

 350GT HYBRID

 350GT HYBRID Type P

 350GT HYBRID Type SP

3500ccハイブリッド車4WD

 350GT FOUR HYBRID

 350GT FOUR HYBRID Type P

 350GT FOUR HYBRID Type SP

 

このように用途や好みに応じて選ぶことができるよう、豊富なラインナップになっています。スカGはいつの時代でもあこがれの的ですが、最新のスカGも魅力的なクルマになっています。

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3.V37スカイラインの装備

上級グレードの350GT HYBRIDおよび 350GT FOUR HYBRIDでは、HEVパワー計、ダブルピストンショックアブソーバー車両接近通報装置が装備されています。一方200GT-tでは電動油圧パワーステアリング(車速感応式)とリアセンターアームレストスルー機構がそれぞれ装備されており、同じグレードであってもターボ車とハイブリッド車では装備に違いがあります。

 

このV37スカイラインでは日産初の全方位運転支援システムを全グレードに標準装備しています。全方位運転支援システムとは、先進安全技術の一つで、街中での低速走行時から高速道路での高速走行時、さらに駐車場などでの駐停車時に至るまで、あらゆるシーンを想定した全方位世界最高峰のセーフティ機能を有したものです。

 

スカイラインの装備は予防安全機能だけではありません。ドライバーをアシストしてくれる機能も備えています。例えば、コックピットに、ドライバー一人ひとりの個性に合わせられる先進の高機能DRIVING ASSISTANCEを装備しています。最3人までの運転環境を記憶し、ドライビングポジションから走りの癖までを理解して、ドライビングをアシストしてくれます。

 

このV35スカイラインはグローバルで販売されているのですが、インフィニティブランドの高品質を確かなものにするため、すべて日産栃木工場で生産されています。スカイラインが生産されるラインは、GT-RやFUGAを生産しているラインです。クルマを熟知した、また品質というものをよく理解した、特別な職人集団が生産しているのです。彼らのハイレベルな技能はほかのどの工場でも真似ができません。ですから栃木工場で生産しているのです。このスカイラインの高品質は装備以上の満足感を満たしてくれるものです。

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4.4気筒エンジンなのにGT?

V37スカイラインは、ハイブリッド車ではV型6気筒エンジンが搭載されているので、伝統的に6気筒エンジン搭載車のみに冠されてきたGTを名乗るのに疑問はありません。しかしながら、ターボ車に搭載されているのは直列4気筒エンジン。これまでの日産の伝統を考えるとちょっと不思議に思います。R30スカイラインが直列4気筒のFJエンジンを搭載していたがため、性能的には6気筒エンジンを上回っていたにもかかわらずGTと名乗れずRSを名乗っていたという歴史があります。

 

ではなぜ200GT-tはGTを名乗っているのでしょうか?スカイラインに搭載された4気筒ターボエンジンは、NAの6気筒エンジン並みの性能を有することから、実質的にグランツーリスモであり、GTを名乗ったということです。オールドファンにとっては何とも違和感がありますが、これも時代の流れということでしょうか?

 

ただ1点だけスカイラインに不満があるとすれば、この4気筒エンジン搭載車はあえてGTを名乗らないでほしかったという点です。スカGファンにとっては思いは同じかもしれません。それほどスカGにはこだわってほしかったと思います。

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5.スカイラインは永遠に

V35以降、GT-Rとは袂を分かち、独自の進化を遂げている日産のスカイライン。60年以上の歴史を築いて来ましたが、これからも20年、30年と歴史を紡いでいくのでしょう。いつの時代でもスカGはスポーツセダンファンのあこがれです。2014年に現行のV37が発表・発売されてからすでに4年を経過しているスカイライン。あと1~2年でフルモデルチェンジを迎えることが予想されます。

 

次にはどんな進化を見せてくれるのでしょうか?もしかしたらe-POWERが採用されるかもしれませんし、一層進化したハイブリッドシステムを搭載してくるかもしれません。エンジンにしても、V型6気筒にターボを積んでくるかもしれません。いろいろな可能性を予感させてくれます。

 

技術の日産を具現化しているクルマ、スカイラインGT。ほかのクルマでは決して感じることのできない走る楽しみを、我々スカイラインファンに提供し続けてくれることでしょう。そんなスカイラインの未来が楽しみです。

 

(画像)

https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline.html

https://matome.naver.jp/odai/2139174015647762201