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日産GT-R NISMOスペック紹介

日本が産んだスーパースポーツカー日産GT-R。その中でも異彩を放つのがGT-R NISMOです。まさにスーパーカーです。極限まで研ぎ澄まされたスペックは世界最高レベルです。そんな国産スーパーカーGT-R NISMOのスペックについて紹介していきます。

 

1.エクステリア

GT-R NISMOはフロント&リアアンダースポイラーやサイドシルスポイラー下部にアクセントとなるレッドラインを施していることで、一目でそれだとわかるエクステリアになっています。このエクステリア自体が、すごく特別な何かを感じさせてくれます。 フロントグリルやバンパーから、サイドシル、リアバンパーに至るまで、エアロダイナミクスを極限まで追求しつくしたフォルムになっています。そのフォルムは、空気抵抗やダウンフォース、冷却性能を高次元でバランスさせています。その結果、300km/hでノーマルのGT-Rに対し、さらに100kgのダウンフォースを発生させており、SUPER GTでの経験やノウハウが惜しげもなく注ぎ込まれています。

 

2007年に登場して以来、常に進化し続けているGT-R NISMO。歴代GT-Rの中で最強であること以上に特別な存在になっています。シャープなボディが、見ただけで素晴らしい走りを予感でき、わくわくさせてくれるのです。

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GT-R NISNMO (ブリリアントホワイトパール)

 

GT-R NISMOのカラーバリエーションは、クールなモノトーンから、鮮烈なレッドまで全4色をラインアップしています。


ブリリアントホワイトパール

メテオフレークブラックパール

アルティメイトメタルシルバー

バイブラントレッド


上の写真はブリリアントホワイトパールです。NISMOのパッションを表現したレッドラインが鮮やかに浮かび上がり、おしゃれな感じがするカラーコーディネートです。

 

また、最もスーパーカーらしいカラーが、バイブラントレッドです。フェラーリーのイタリアンレッドの影響かも知れませんが、スーパーカーと言えばレッド、そんな鮮やかなレッドです。この鮮やかなレッドのGT-R NISMOでアウトバーンを走ってみたいですね。

 

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バイブラントレッド

2.インテリア・コクピット

GT-RNISMOはインテリアやコクピットも特別なものになっています。

 

まずはコクピットに関して紹介していきましょう。GT-R NISMO専用のカーボンバックバケットシートを採用しており、走りの歓びを全身で感じるコックピットになっています。サーキットのコーナリングで発生する強烈な横Gに対応し、ドライバーの身体を確実にサポートしてくれます。滑りにくさと触感のよさを求めて、シート、ステアリング、インスト上面にまでアルカンターラを採用しています。コックピットのデザインも一新され、そこに座るだけ感動する質感があります。

 

インテリア全体は、ブラックをベースにレッドのステッチなどをところどころに施しており、スポーツカーらしく落ち着いていながらも、官能的なデザインになっています。

 

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コクピット

 

3.パワートレイン・ドライブトレイン

スーパースポーツカーGT-R NISMOを支えるパワートレインやドライブトレインはどんな性能を有しているのでしょうか?まずは心臓ともいえるエンジンについて見ていきましょう。


GT-R NISMO搭載エンジン

VR38DETT型V型6気筒DOHCツインターボエンジン

クローズドデッキシリンダブロック

溶射ボア

最高出力:441kW(600ps)

最大トルク:652N·m燃費:JC08モード8.8km/L


VR38DETTはGT-R専用に開発されたエンジンです。高いPmaxに耐えうるために、クローズドデッキのシリンダブロックを採用しています。開発のベースとなったVQエンジンはオープンデッキですので、GT-R専用設計となっています。また、このエンジンは燃費向上のために、シリンダブロックのシリンダボア部に溶射という技術が採用されています。通常のシリンダライナーに比べ熱伝達が良いことから、①燃料冷却が不要になり燃費が向上する。②運転時のボア変形を抑制し、フリクションを低減できる。というメリットを持っています。

 

GT-R NISOMOのエンジンには、レースカーであるNISSAN GT-R NISMO GT3にも使用されている高効率大容量の専用ターボチャージャーを搭載しています。ノーマルのGT-Rの最高出力が419kW(570PS)、最大トルク637N・mですので、出力は5%近くも向上させています。さらに、気筒別に最適な点火時期をコントロールする気筒別点火時期制御、専用燃料ポンプや最適な燃料噴射量をコントロールするインジェクター駆動回路を採用し、排気性能、運動性能を損なうことなく出力を向上するようチューニングされています。

 

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VR38DETTエンジン

 

次に怪物エンジンVR38DETTの動力をタイヤに伝えるトランスミッションに触れてみましょう。

 

GR6型デュアルクラッチトランスミッション

Mモード(パドルシフトによるマニュアルモード)、Aモード(自動変速)切り替え式

 

トランスミッションに関してもGT-R専用に開発しています。走りを満喫するためのマニュアルモードと、イージードライブのためのオートモードが装備されていて、TPOに応じて使い分けることができます。さらにこのトランスミッションは、「R」「NORMAL」「SAVE」の3つのモードを選択できます。「R」モードを選べば、世界最速レベルの変速スピードが可能となり、スポーツカーならではの走りが楽しめます。「SAVE」モードを選べば、マイルドな変速となり、燃費性能や雪道での扱いやすさの向上も図れます。いろいろな場面で最高の走りを追求できるスペックになっているのです。

また、街乗りなどの低速走行時には、1速と2速の間を半クラッチ状態で切り替えますので、シフトチェンジ時のショックがなく、急発進もせず、安全な加速が得られます。

 

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GR6型デュアルクラッチトランスミッション

 

4.ボディ・サスペンション

「走る」「曲がる」「止まる」の3つがクルマの性能を決める重要な3要素になります。「走る」に関しては、十分すぎるほどの性能があることを理解できました。では、主に「曲がる」を担う、クルマを支えるものが、サスペンションの能力やボディ剛性になります。GT-R NISMOに採用されているサスペンションは基本構造や思想はノーマルのGT-Rと同様ですが、NISMO専用のチューニングが施されています。

 

GT-R NISMOのサスペンションは次のようになっています。

フロント:ダブルウィッシュボーン式サスペンション

リア:マルチリンク式サスペンション

 

言葉でお伝えしようとしても、イメージがわかないでしょうから、下の写真をご覧ください。

 

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サスペンション

 

GT-R NISMOのサスペンションは、タイヤの路面追従性を高めることで接地荷重変動を減らすというコンセプトです。ノーマルのGT-Rに対してさらなるパフォーマンスの向上を求めて、20×10Jのワイドリムフロントホイール+サイズアップした専用の高剛性ハブボルト、専用タイヤ、専用アッパーリンクでハイキャスター化したサスペンション、専用スプリング&ショックアブソーバーを採用しています。そして、φ17.3mmの中空リヤスタビライザーによりロール剛性を向上し、コーナリング性能の大幅な向上を実現しています。

 

しかしながら、いくら足回りを強化しても、ボディのねじれ剛性が高くないと、コーナリング時にふらついてしまいます。そこでGT-R NISMOでは、フロントウインドウフレームを強化することにより、フロントのボディ剛性を向上しています。さらにフロントとリアの変形量の差を極限まで抑えることにより、ボディの一体感がさらに高まっています。また、ボンディングボディと呼ばれる、構造用接着剤でさらにボディ剛性を高める技術も採用しています。

 

このように、GT-R NISMOは、レースで培ったノウハウや技術のすべてを注ぎ込まれているので、究極のレベルにまで研ぎ澄まされているのです。

簡単に買うことのできるような価格のクルマではありませんが、ファンにとってはあこがれのクルマです。いつかはGT-R NISMOのコクピットに座り、モンスターカーを操ってみたいものです。

 

(参考URL)

https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/gt-r/nismo.html

https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/gt-r/performance.html