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ホンダアコードの歴史まとめ

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ホンダのミドルクラスの歴史を築き上げてきたアコード。シビックのミドルクラス化とインスパイアの生産終了に伴いアッパーミドルクラスへとグレードアップし、今なお進化を続けながら歴史を引き継いでいます。そんなアコードについて、歴代のモデルの特徴などについて紹介していきましょう。

 

1.現行アコードのグレードと価格・スペック一覧

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数えて9代目となる現行アコードはCR5/6/7型と呼ばれ2013年から現在に至るまで生産・販売されているモデルです。現行のホンダアコードは、北米と日本で生産されていますが、日本で生産されている日本国内向けは4ドアセダンHybridのみの設定となっています。2グレードが設定されています。


・HYBRID EX

FF SPORT HYBRID i-MMD、JC08モード燃費30.0km/L、車両本体価格4,100,000円

システム最高出力158kW(215ps)

・HYBRID LX

 FF SPORT HYBRID i-MMD、JC08モード燃費31.6km/L、車両本体価格3,850,000円

  システム最高出力158kW(215ps)

 

ボディカラーは特別塗装色3色を含めて4つのカラーがラインナップされています。カラーバリエーションは少ないですが、どのカラーも魅力的なものになっています。

 

なお北米向けでは、4ドアセダンの他、2ドアクーペも販売されています。2ドアクーペを買われたいのであれば、輸入するという方法を取る必要があります。

 

2.ホンダアコードの歴史と特徴

① 初代 SJ/SM型(1976-1981年)
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初代アコードが産声を上げたのは1976年、高度経済成長の熱気がまだ残り、どの家庭で自動車を持ち始めるようになった、右肩上がりの時代です。当時のボディタイプは3ドアハッチバックでした。車両サイズは5ナンバーです。搭載エンジンは直列4気筒1.5L SOHCでした。その後4ドアセダンをラインナップに加え、さらに1978年には最上級モデルとして1.8L 直列4気筒SOHCエンジンを搭載したモデルが発売されました。

 

② 2代目 SY/SZ/AC/AD型(1981-1985年)

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1981年9月にフルモデルチェンジされて登場したのが2代目のアコードです。直列4気筒SOHC1.6Lと直列4気筒SOHC 1.8Lの2種のエンジンを搭載したモデルです。また世界で初めて民生用カーナビ(ホンダの自社開発)がメーカーオプションとして用意された画期的なモデルでもあります。初代と同様4ドアセダンと3ドアハッチバックがラインナップされていました。この頃アコードの位置づけは、現在のシビックと同じ位置づけの、ミドルクラスでした。

 

③ 3代目 CA1/2/3/4/5/6型(1985-1990年)

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1985年4月にフルモデルチェンジされ生まれ変わったのが3代目のアコードです。ヘッドライトがリトラクタブルに変更されています。搭載されたエンジンは直列4気筒DOHC16バルブ1.8Lデュアルキャブと直列4気筒2.0 L PGM-FI仕様、SOHC 12バルブ 1.8 L シングルキャブレター仕様がラインナップされていました。さらに1987年のマイナーチェンジでは、2.0 L シングルキャブレター仕様が追加されました。伝統の4ドアセダン、3ドアハッチバックの他、2ドアクーペもラインナップされていました。特に北米での人気が高い2ドアクーペが、このモデルでは日本国内でも販売されていました。

 

④ 4代目 CB1/2/3/4型(1989-1994年)

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4代目アコードは1989年9月にフルモデルチェンジされました。初代から続いていた特徴的な3ドアハッチバックは残念ながら廃止され、ボディタイプは4ドアセダンのみのラインナップでした。後にアメリカ生産では2ドアクーペと5ドアワゴンが追加されています。全車4valve化され、1.8LはSOHC 電子制御キャブ仕様、2.0LはDOHC/SOHC PGM-FI仕様とSOHC 電子制御キャブ仕様のエンジンラインナップでした。後に2ドアクーペ が追加された際に2.2L SOHC PGM-FI仕様が追加されています。

 

⑤ 5代目 CD3/4/5/6型(1993-1997年)

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1993年9月セダンをフルモデルチェンジして5代目アコードが誕生しました。ラインナップは4ドアセダンのみのボディタイプでスタートし、後に米国生産の2ドアクーペと5ドアワゴンが追加されています。車両サイズは3ナンバーサイズに拡大され、また、エンジンは全てPGM-FI仕様になり、トルク、パワーともに向上が図られています。2.2L SOHC、2.0L SOHC、 1.8L SOHCの他、スポーツグレード用の2.2L DOHCがラインナップされ、2.2Lは当時のホンダの先進技術であるVTECが採用されています。

 

⑥ 6代目 CF3/4/5/CL1/3型(1997-2002年)

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1997年9月にセダンとワゴンのフルモデルチェンジが行われ、6代目アコードが発売されました。4代目以来の5ナンバーの車両サイズが採用されたのですが、ワゴンはフェンダー幅が若干拡げられているため3ナンバーの車両サイズとなっていました。北米では2ドアクーペも発売されましたが、これは北米専用仕様であったため日本では発売されませんでした。エンジンは全エンジンでVTECを採用しており、F18B型1.8L SOHC VTEC、2.0L SOHC/DOHC VTECの3種類がラインナップされています。ワゴンには2.3L SOHC VTECが搭載されています。

 

⑦ 7代目 CL7/8/9型(2002-2008年)

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7代目アコードは2002年10月にフルモデルチェンジされました。日本向けにはセダンとワゴンが設定されています。6代目までは欧州市場向けに欧州仕様車が存在したのですが、7代目では日本仕様と欧州仕様が統合されたため、全グレードで3ナンバーとなっています。エンジンは連続可変バルブタイミング(VTC)を採用したi-VTECとなり、DOHC 2.0Lと2.4Lの2種類がラインナップされています。i-VTEC採用により全域で扱いやすいトルク特性となり、走行性能が格段に向上されています。

 

⑧ 8代目 CU1/2型(2008-2013年)

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8代目アコードは2008年12月にフルモデルチェンジが行なわれました。日本向け仕様はエンジンを全車ハイオク仕様とした2.4L 直4 i-VTEC(206PS)に統一されています。グレードは「24E」・「24TL」・「24TL SPORTS STYLE」・「24iL」の4つがラインナップされました。すべてFF車のみの設定でした。

 

⑨ 9代目 CR5/6型(2013-2016年)CR7型 (2016年-2018年)

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現行モデルである9代目は2013年6月に発表発売されました。アコードのモデルチェンジの特徴として、北米市場に先に投入し、後に日本向けが発表されるのが通例となっています。スペックやグレードの詳細は1章をご覧ください。

 

3.次期型アコードの情報

次期型アコード(10代目)は 2018年4~5月頃発売見込みと噂されていました。しかしながら2018年4月下旬の段階でまだ情報が聞こえてこないことを考えると、夏ごろの発表・発売になるのではないかと推測されます。

 

すでに北米市場には2017年7月に新型アコードのガソリン車が2018年2月にハイブリッド車がそれぞれ発表・発売されており、このスペックが日本仕様にも踏襲されるものと見込まれます。1.5Lと2.0Lの直噴ターボエンジンが用意され、トランスミッションは1.5L車がCVT、2.0L車には10速ATがそれぞれ搭載されています。また、Sportグレードには6速MTが設定されていますが、これは北米市場向けであって日本市場にはマニュアルトランスミッションが投入される可能性は低いと思われます。このモデルでは、標準でHonda SENSINGが装備されています。

 

4.シビックとの差別化

ホンダのミドルクラスセダンには、シビックがラインナップされています。このシビックもホンダの歴史をけん引してきた名車です。かつては、現在のカテゴリでいうとコンパクトカーに位置づけられていた車ですが、7代目の5ドアハッチバックが販売不振だったこと、同一カテゴリにフィットが登場したことから、日本ではハッチバックが廃止され4ドアセダンのみの販売となり、さらに時代の流れに伴ったワイド化により3ナンバーのミドルクラスのクルマへと変化(進化?)を遂げています。シビックの大型化に伴いアコードも大型化され、アコードは現在のようなアッパーミドルクラスのクルマに代わっています。このようにシビックとアコードは棲み分けがなされており、ホンダのセダンのラインナップを構成しています。

 

往年の3ドアハッチバックのアコードをご存知の方は、現在セダンのみが設定されているアコードには寂しさを感じているかもしれませんね。

 

(Thanks to)

http://www.honda.co.jp/50years-history/challenge/1976accord/page03.html

http://b-cles.jp/car/

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89